■組み立てにも参加
特に気になったのが、2023年MVP&得点王の大迫勇也の状態だ。彼はオフ期間にアメリカで吉田麻也(LAギャラクシー)と自主トレを実施。肉体改造にも乗り出すなど、新たなトライを経てプレシーズン入りしたという。前日の6日には2026年までの契約延長も発表。スッキリした状態でインテル・マイアミ戦を迎えた。
こうした効果か、この日の背番号10からはキレと鋭さが大いに感じられた。インテル・マイアミが組織的守備を仕掛けてこなかったこともあり、神戸は大迫に蹴り出してタテへの速さで攻め込むという昨季のスタイルではなく、ボールをつなぎながら攻撃を構築していく形で戦った。
となれば、大迫も少し引いてパスを受けたり、組み立てに参加する場面も増えてくる。そういった仕事もこなしつつ、機を見てゴール前へ出ていく。その嗅覚は間もなく34歳になろうという今も健在だった。
前半15分には鋭いシュートを左右のポストに立て続けに当てるという2度のビッグチャンスに直面。前半終了間際にもフリーの決定機を逃したが、大迫にボールが渡れば「点が入りそう」という空気感が漂ったのは確かだ。
「まだシーズンが始まっていないので。シーズン中だったら叩いてもらって結構ですけど、これからチームのためにしっかり決めきれるようになりたいですね」と本人は不敵な笑みを浮かべたが、上々の仕上がりだという感触を彼自身も抱いたのではないか。