イラン戦ではVARで命拾いも…日本人同士なのに、なぜ英語?【VARの「裏側」最前線】(2)の画像
日本戦でVAR判定の結果、ゴールを取り消されたイランのサルダル・アズムン。ヒジ差のオフサイドだった。撮影/渡辺航滋(Sony α-1)

 サッカーの世界でも、テクノロジーの活用が広がっている。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)も身近になってきたが、まだ分かりにくい部分も多い。今回、サッカージャーナリスト後藤健生が、VARの裏側を取材した。

トレーニングを見学する

 人工芝グラウンドに数台のカメラを据え付け、大学チームのサッカー部員たちが模擬ゲームを行って、そこでさまざまな判定が行われる。グラウンドの横に模擬のVOR(ビデオ・オペレーション・ルーム)が設置され、研修を受ける審判員が2人(VARとアシスタントVAR)とオペレーターがピッチ上のレフェリーやアシスタント・レフェリーと交信しながら決定を行うのだ。

 実際のVORは完全な密室空間で、音も遮断された状態なのだが、模擬のVORは広い部屋が使われており、研修中の審判員以外にも他の審判員が見学したり、指導者からは指導が行われていた。今回のメディア向けブリーフィングでは、この模擬のVORにも入って、VARたちの背後で見学をさせてもらった。

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