【「アジアカップ」準々決勝イラン戦へ】5年前のリベンジに燃えるイラン、“伊東純也離脱”の右サイド「毎熊晟矢・久保建英・堂安律」の連携が武器に!カギを握るセットプレーとGK【サッカー日本代表分析】(2)の画像
日本代表の右サイドを久保、堂安らとの連携で支えるSB毎熊晟矢。撮影/中地拓也
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 森保一監督率いる日本代表は、ラウンド16のバーレーン戦に勝利してベスト8入りを果たした。アジアカップに準々決勝が導入された1996年から、8大会連続の8強入りである。

 試合を重ねるごとに個々がコンディションを上げ、チームとしての練度も高まってきたが、準々決勝への懸念材料がないわけではない。

 まずはケガ人だ。バーレーン戦でMF旗手怜央が負傷交代した。今後の出場は絶望的となった。

 4-2-3-1のシステムなら、MF遠藤航とMF守田英正のダブルボランチで問題ない。4-1-4-1なら、遠藤がアンカーで守田がインサイドハーフの一角を担う。彼らふたりが稼働していけれればいいのだが、遠藤はフィールドプレーヤーでただひとり4試合連続でフル出場している。そして、ここから先は彼を休ませることが難しい。

 遠藤と守田がアクシデントに見舞われた場合、MF佐野海舟がバックアップ役となる。グループステージ2試合で22分の出場を記録しているが、プレー強度とプレッシャーが一気に高まるここからの戦いで、もっと言えば緊急避難的な起用で、経験の少ない23歳を送り出すのはリスクとの背中合わせだ。

 日本が調子を取り戻してきたインドネシア戦とバーレーン戦は、イラク戦のように日本の強みを消される展開ではなかった。そのなかで、右SB毎熊晟矢とMF久保建英、FW堂安律による右サイドが攻撃の強みとなった。

 バーレーン戦で2得点に絡んだ毎熊は、立ち位置を変えながら久保と堂安を的確にサポートし、効果的に攻撃に関わっている。チームに勢いをもたらす存在となっているが、イラン戦は過去2試合と違う展開も想定される。つまりは守備に追われる時間帯があるなかで、攻撃にどれだけパワーを注げるか。チームの強みとなっている彼ら3人の右サイドが、これまでと同じように相手を制圧できるどうかは、試合の行方に影響してくるだろう。

 2列目のアタッカーでは、伊東純也が難しい立場にある。バーレーン戦後、プライベートに関する一部報道を受けて、日本サッカー協会はチームからの離脱を発表した。

 伊東不在でも右サイドは機能する。左サイドには三笘薫が帰ってきた。ただ、両サイドに対応できるウインガーとして、先発出場はもちろん交代のカードとして、伊東を欠くことになったのは痛い。延長戦までを想定しておくと、攻撃のコマは多いほうがいい。いずれにせよ、チームが不要な雑音に振り回されないことを願うばかりだ。

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