■190センチのCB町田を投入したパワープレー対策
バーレーン戦後、主将のMF遠藤航は「ゲームプランどおりだった」と話した。
「試合の入り方は悪くなかったので、そこはゲームプランどおりだったんですけど、アタッキングサードのところで攻めあぐねていたんですけど、失ったあとの切り替えとかは悪くなかったし、追加点を取るタイミングも悪くなかった。1失点してしまいましたけど、突き放せて勝てたのは良かったです」
グループステージで敗れたイラク戦は、前からハメる前にロングボールを蹴られ、全体をコンパクトに保てなかった。スペースと時間を与えることになってしまい、個の力を発揮されてしまった。
試合から遠ざかっているとかケガから復帰して間もないといった理由で、コンディションが十分に上がっていない選手、そもそも整っていない選手が混在していた。しかし、グループステージを経て個々のコンディションは上向き、敗北を喫したイラク戦で中東勢と戦う感覚を呼び覚ますことができた。それによって、バーレーン戦はディフェンスにはっきりとした改善が見られたのだった。
遠藤が続ける。
「イラク戦はどちらかと言うとちょっと構えてというか、相手のゴールキックも前からいかずにつながせて蹴らせるみたいにやっていたいんですけど、そうなると分が悪くなると言うか、自分たちが跳ね返すポイントが後ろになっちゃう。バーレーン戦はゴールキックはとにかくハメて、(後ろからつながらせずに)蹴らせるという話はしていました。そのほうが僕らもコンパクトさを保って守備ができるし、セカンドボールも拾える。そこはゲームプランどおりでした」
ディフェンスの改善については、森保一監督も評価している。
「アグレッシブにいこうという気持ちが、ややもすると間延びにつながってしまうこともあり、相手もその間延びしたスペースを狙ってくるということで、お互いに距離感を良くしてコンパクトにしていこうと。選手たちは気をつけながら戦ってくれました」
バーレーン戦では、3バックにトライしている。2対1から3対1へ点差を広げ、相手がFWの枚数を増やして2トップにしてきたことによる変更だった。
リードした展開で試合終盤を迎えれば、相手が前線の人数を増やしてくることは想定される。バーレーン戦で4バックの中央を形成したCB冨安健洋とCB板倉滉に加え、190センチのCB町田浩樹を送り込むことで、ゴール前の制空権争いに備えることができる。板倉はバーレーン戦の終盤に左足を痛めたが、試合後には「大丈夫です」と話した。
中2日か中3日で試合を消化していく準々決勝以降へ向けて、ここまで出場機会のなかった三笘を起用して攻撃の選択肢を増やした。パワープレーに対応する準備も進めた。ここから先の戦い(準々決勝は2月3日、対イラン戦)を見据えても、バーレーン戦には評価できるところがあった。