【「アジアカップ」準々決勝イラン戦へ】攻撃面“本領発揮と復活”際立った「2つの個」、守備面“遠藤航が語った”「盤石のゲームプラン」と「次への準備」【サッカー日本代表分析】(1)の画像
サッカー日本代表の中心・MF遠藤航。 撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 潮目は変わった、と見ていいだろう。

 アジアカップのラウンド16で、日本はバーレーンを3対1で退けた。0対0で推移する31分、右SB毎熊晟矢の右足ミドルが左ポストを叩くと、詰めていたFW堂安律が抜け目なくプッシュした。背番号10は大会初得点である。

 そのまま1対0で迎えた後半開始直後には、MF久保建英が追加点を蹴り込んだ。4-2-3-1のトップ下で先発した彼も、大会初得点を決めることができた。

 72分には勝利を決定づける3点目が生まれる。右サイドから巧みに抜け出したCF上田綺世が、ペナルティエリア内からの豪快な一撃でGKの股間を破った。

 グループステージで無得点だったアタッカー陣に得点が生まれ、FWのファーストチョイスとなる上田が「個」の力を見せつけた。試合を通してポジションごとの序列が固まりつつあるなかで、先発した選手が結果を残したのはポジティブな材料と言える。

 三笘薫の復帰も大きい。昨年末に左足首を痛め、実戦から離れていたドリブラーがついに戦列へ戻ってきたのだ。チームの4点目を奪うことも、アシストを記録することできなかったが、1か月以上ぶりの実戦としては申し分なかっただろう。

 試合後、自身のコンディションについては、「全然ですね。まだまだ上げていかないといけないですし、今日はリードした展開だからこそできたプレーもあると思う」と振り返った。オープンな展開のなかで「決め切りたかった」とも話したが、「自分のコンディションを確かめたいというのもありましたし、ドリブルのフィーリングや芝の感触を確かめられました。次の試合に向けても、いい準備にはなりました」と前向きな言葉も聞かれた。

 グループステージの日本はベトナムにリードを許したり、イラクに苦杯をなめたりした。しかし、3戦目のインドネシア戦で本来の姿を取り戻すきっかけをつかむと、バーレーンを危なげなく退けた。潮目が変わったとはそういう意味である。

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