■ルヴァンカップの差別化
企業チームやクラブチーム、大学チームがJリーグクラブに挑む天皇杯は分かりやすい。だが、Jリーグクラブ同士が戦うルヴァンカップと通常のリーグ戦の区別は分かりにくいのではないか。
その点で、ルヴァンカップをJ3クラブまで含めて行うことで、リーグ戦との差別化が図れる。
そして、「ファーストラウンド」の試合は、原則として下位リーグのチーム(同一リーグの場合は2023シーズンの順位が下位のチーム)のホームで行うことになっている。
リーグ戦とリーグカップではリーグ戦のほうが重要な大会であり、当然、ルヴァンカップへの関心は低く、観客動員数も伸び悩んでいる。
しかし、試合が下位リーグのホームで開催されるようになれば、下位リーグのサポーターにとっては自分たちのクラブがJ1リーグの強豪に挑む姿を見られるだけに、サポーターを引き付ける魅力になるだろう。そして、下位リーグのホームで試合が行われれば、ジャイアントキリングの可能性も高まるはず。
ルヴァンカップという大会自体の注目度を高めることにもつながるし、下位リーグに所属する地方クラブにとってはローカルメディアでの露出も増やせるようになるはずだ。
昨年までの方式では4チームずつのグループステージでホーム&アウェー6試合を戦っていたが、新方式では「ファーストラウンド」で3試合、「プレーオフラウンド」で2試合、合計5試合でノックアウトステージ進出となるので、各クラブの試合数は1試合減る。
昨シーズンまでの方式では、グループステージはホーム&アウェーだったので、一発勝負化はリーグ戦との差別化に役立つ。
参加チーム数を増やし、大会の差別化を図りながら、各チームの負担を減らせるのだから、新方式の導入は歓迎すべきなのではないか。