■力をつけた東南アジア勢
――日本代表が不調というだけではなく、全体のレベルが上がった影響も出ていたのでしょうか。
大住「今大会で一番印象的なのは、東南アジア勢がすごく伸びて、力をつけたということ。ベトナムは3連敗で終わったけど、内容が今までと全然違ったよね」
後藤「韓国と3-3で引き分けたマレーシアもすごかったしね。僕は1980年のモスクワオリンピック予選で、マレーシアが韓国を破った試合を思い出したよ。試合会場の雰囲気も含めてね」
大住「あの頃は東南アジアがアジアのサッカーの先進地のようなものだったからね」
後藤「日本もマレーシアやタイに勝てるか分からない時代だったからね」
大住「その後、東南アジアだけが落ち込む時代に入っていったけど、外国で育った選手やヨーロッパにルーツを持つ選手が入ってきて、一番問題だったフィジカルが強くなり、持ち前の技術や勇敢さが活きて、本当に戦えるチームになった。アジアのサッカーがより豊かになったなという感じがする」
後藤「去年、U-17ワールドカップの取材でインドネシアに行って感じたんだけど、東南アジアのサッカー熱はすごいよね。自分の国の試合じゃなくても、騒ぎながらも一生懸命に試合の流れを見ているんだよ。これだけの熱があるんだから、もう少し強くならないとおかしいよな、と思っていた」
大住「サッカーの文化があるよね」
後藤「そうそう。各国それぞれね」