アジアカップはグループステージを終了し、決勝トーナメントの開始を待っている。サッカー日本代表はグループGを2位通過。連勝が10で止まった理由をいかに消化し、この先を勝ち進む力へと変えていくべきなのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。
■想定外だった黒星
――日本代表はグループステージで、思わぬ苦戦をした印象です。これは予想の範疇でしょうか。
大住「簡単じゃないというか、苦労するとは思っていた。相手は守りを固めてくるだろうし、そこから鋭いカウンターを出してくるんじゃないかと思っていたからね。いつでも引き分ける可能性はあるけど、負けが入ってくるとは思わなかったよね」
後藤「点を取るのが難しい試合もあるかと思ったけど、3試合で5点取られるとは思っていなかった。7試合無失点での優勝を目指してほしいと思っていたんだけどな」
大住「現状でそれが可能なチームは、(グループステージ無失点の)タイ代表だけじゃない」
後藤「石井正忠(タイ代表)監督、すごいよなあ。なんで鹿島アントラーズは解任しちゃったんだろう」
大住「本人も楽しそうだったよ。最終節のサウジアラビア戦を見たら、先発を全員入れ替えていたんだけど、メチャクチャ良かった。これまで出ていなかった選手たちだったけど、皆が戦い抜いたし、走り抜いたし、前向きで、怯まない。タイの選手は勇敢だよ。日本のチームを指導するより楽しいんじゃないかと思ったね」