冨安健洋が先発でなかった理由

 もう1つは冨安健洋(アーセナル)の後半頭からの投入だ。

「トミが先発でなかった理由は、もしもうまく選手交代ができなくて、90分全て出ることになった時のダメージを考えた。それで途中出場にしました」と森保監督は説明していたが、本人は「問題なく出られる状態」だと強調していたのだから、最初から出すことを考えるべきだったのかもしれない。

 イラクが前線パワー系の18番・アイメン・フセインを使うのか、それともスピード系の10番モハメド・アリを使うのかは判断が分かれるところだった。が、谷口彰悟(アルラーヤン)と板倉滉(ボルシアMG)のCBコンビはベトナム戦からやや不安定さが拭えなかっただけに、「統率力と質の高さを併せ持つ冨安が最初から出ていたら…」という見方をされるのも仕方ない。

「これがベストだと考えたから起用した。ベトナム戦の課題を修正するためにもう一回選手たちにプレーしてもらうことも大切だと思いました」と森保監督はメンバーを大幅変更しなかった理由を語ったが、スタメンの選定や配置、交代含めて采配が裏目に出たのは事実。ここからのマネージメントが非常に難しくなってくるが、攻守両面で課題をしっかりと修正し、先につなげていくしかないだろう。

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