■「悪くなった時にどれだけチームにリーダーがいるのか」

「9連勝していた中で絶対いつか止まるなと。その覚悟を僕はしながらのぞんでいましたし、ずっといいわけないので。悪くなった時にどれだけチームにリーダーがいるのか。うまい選手だけじゃ勝てないというのは全員が欧州で戦ってる中で分かってましたし、チームの中にリーダーが多ければ多いほど、僕は立て直す力があるチームだと思っているので。『うまいチーム』から『強いチーム』に変わっていくために、いい試練が来ているんじゃないかと思います」

 後半途中から出場し、ゴールの雰囲気をもたらした堂安律(フライブルク)が語気を強めた通り、ここで誰がチームを前向きにさせられるかだ。今の代表はかつてのリーダー・長谷部誠フランクフルト)や前キャプテン・吉田麻也(LAギャラクシー)のような絶対的な統率力を持った人材はあまりいない。東京五輪世代は特にそうだ。だからこそ、選手たちには奮起が求められるところ。

 アジアカップでアッサリ負けているようでは、いくら個人個人が欧州トップクラブでプレーしていても、2026年北中米W杯優勝などという高い理想を追い求めることはできない。今一度、自分たちに厳しくなって、泥臭く貪欲に1つ1つの勝利を奪いにいく集団になること。森保監督含め、そこからやり直してほしいものである。

(取材・文/元川悦子)

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