■フットボール本部の方針が見える補強
GKはW杯を4度経験した40歳の川島永嗣、J1王者の神戸から期限付き移籍で24歳の坪井湧也などが加わり、昨シーズンは守護神として昇格を支えた31歳の三浦龍輝も全く安閑とできない。
初日からGK練習をじっくりと観る機会を得られたが、やはり川島の影響力は大きい。三浦や坪井、アカデミー育ちである大卒ルーキーの杉本光希も、川口能活コーチの指導と川島の模範的な振る舞いにより、成長が見込める。無論、横内監督は「永嗣もポジションは約束されていない」と強調するが、失点数を減らす鍵を握るGKのレベルアップを促すベストの選手が加入したと言っていい。
ディフェンスラインは右サイドバックの主力を務めた鈴木雄斗が湘南ベルマーレに去り、同ポジションの補強が急務だった。そこで白羽の矢が立ったのはJ3のカマタマーレ讃岐で10番を背負っていた川崎(崎:立つ崎、以下同)一輝だ。
藤田俊哉SDを筆頭とするフットボール本部の方針が見える補強であり、J1の実力者で他クラブと競合するよりも、独自に発掘するというのは磐田の立ち位置を考えても現実的かつ効果的であり、川崎がその象徴的な存在になる可能性は十分にある。ちなみに今シーズンは2番を背負うが、将来的にサイドバックで10番を背負う野望を隠さない。良い意味でギラギラした選手が入ってきたと感じる。