■日本での適用

 この形は、テレビ中継にはとても都合がよかった。前半のキックオフ時間を19時4分とすると、後半は20時4分に始まり、アディショナルタイムや試合の振り返りを含めても20時55分には放送を終えることができたからだ。Jリーグでは、この運営方法は2013年まで続けられた。

 ただ、Jリーグが始まって3シーズン目の1995年には、サッカーのルール自体が「ハーフタイムのインターバルは15分を超えてはならない」と改正されている。イングランドとスコットランドの両協会の提案だったが、どちらの提案も、ルールを現状に即したものにするという理由だった。Jリーグの運営方法は、当時の世界のプロサッカーリーグの潮流に沿ったものだったのである。

 2014年にJリーグの運営方法が改められ、後半のキックオフが、「前半開始の60分後」ではなく、原則として「前半終了の15分後」とされた。前半のアディショナルタイム次第でチームがハーフタイムに使える時間が変わってしまうのは困るという現場の要望に応えたものだった。この運営方法は現在も続けられている。

 ただし、NHKで生中継が行われるときにはこの「原則」は崩されていたらしい。それまでどおり「前半開始の60分後に後半開始」という形がとられたのだ。

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