大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第129回「15分間の戦場」(2)テレビ中継が変えたルールと、例外とされた「NHKによる生放送」の画像
ハーフタイムには各チームのマスコット総選挙も(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は試合の合間、「15分間の戦場」について。

■インターバルの定義

 今日のルールでは、ハーフタイムは15分間を超えてはいけないことになっているが、20世紀の始めにハーフタイムのインターバルは「5分間を超えてはらない」と正式にルールで定められた。そしてその規定は、なんと一世紀近く、1995年まで生きていたのである。すなわち、Jリーグが始まったときには、ルール上では「ハーフタイムは5分間」ということになっていたのである。

 ただ、Jリーグの試合は、運営上、1993年の開幕時から「前半キックオフ時間の60分後に後半をキックオフする」という約束で行われていた。前半終了の笛が鳴り、選手たちが完全にロッカールームにはいってから5分間を「ハーフタイム」と想定し、「ルール違反」になることを回避したのである。そしてこの時間が経過するとレフェリーが合図して(ロッカールームにブザーで通知される)、選手たちがロッカールームを出、ピッチにはいって後半キックオフの笛が吹かれるのが、ほぼ前半キックオフの60分後という「シナリオ」だった。

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