後藤健生の「蹴球放浪記」第192回「巷の中国人にとって、日本人は好奇心の対象」の巻(1)2004年アジアカップの「忘れ物」を探しにの画像
山東魯能対横浜FMのADカード。発行はクラブでもFAでもなく「済南市公安」 提供/後藤健生

 現在は、ウクライナや中東で戦争が勃発しており、国際的な緊張の高まりが世界の不安を煽っている。そんな時こそ、スポーツの力が見直されるべきである。蹴球放浪家・後藤健生には、「完全アウェイ」だったはずの中国での地元民とのふれあいの思い出がある。

■中国クラブを撃破

 AFCチャンピオンズリーグACL)のグループステージ最終戦で横浜F・マリノスが中国の山東泰山FCを3対0で破って、首位通過を決めました。

「2点差以上の勝利でノックアウトステージ進出。3点差以上なら首位通過」。つまり、複数得点が必要という試合。しかも、山東泰山は「大量失点しなければグループステージ突破」という状況なので、当然、守りを固めてきます。

 そんな中で、攻め急ぐことなく、リスク管理を徹底しながら、しっかりとボールを動かして攻撃を続け、前半アディショナルタイムに先制ゴールを決め、後半にも2点を追加。首位通過の条件である「3点差」とした後の攻守のバランスも良く、素晴らしい内容の試合でした。

 ケヴィン・マスカット監督は、この試合で退任しますが、新監督の下、ノックアウトステージでも健闘を期待したいところです。

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