■20時から雨が降り出した

 300メートルでも車に乗って2キロくらい走るというのが普通なのだ。

 雨も上がったので一安心して迎えに来たメディア・シャトルに乗り込んだ。

 キング・アブドッラー・スポーツシティ・スタジアムには30分くらいで着く。

 シャトルがパーキング場所を探している間に、外は薄暮から夜になった。

 ライティングされたスタジアムがきれいに浮かび上がっていた。

 キックオフは21時だが、軽食を取った後ピッチに出た。

 明るいスタジアムだ。

 だが、20時ごろ雨がポツンと顔に当たった。

「降らないでくれ」という願いむなしく、雨はもう我慢しきれないように降り出した。花火や歌のオープニングセレモニーに雨といういらないおまけがついてしまった。

 カリム・ベンゼマ。この男は気になる。

 半年前にレアル・マドリードでのキャリアを終え、アル・イテハドにやってきた。

 9番をつけたベンゼマには存在感が漂っている。

 試合はオークランドには気の毒なほど一方的なものになった。シュート数は27vs3。

 前半は特にそうだった。

 アル・イテハドはロマリーニョが先制すると、エンゴロ・カンテが強烈なボレーで2点目。そしてベンゼマが3点目を挙げて両手を広げた。

 このゴールでベンゼマはFIFAクラブワールドカップの4つの大会でゴールを決めた歴史的なプレイヤーにもなった。

 ベンゼマはもうじき36歳になる。

 試合が終わると雨は皮肉にも止んだ。

PHOTO GALLERY アル・イテハドvsオークランド・シティのPHOTOギャラリー 
  1. 1
  2. 2