■2人のFWの関係
22歳の細谷は今シーズン、フィジカル面で大きく成長した。最前線で相手DFと競り合いながらボールを収めることができるようになったし、DFとDFの間を強引に突破する力強さも身に着けた。
川崎との決勝戦では、そのストロングポイントを存分に発揮し、細谷は前線で柏の攻撃の起点を作り続けた。
もう1人のトップ、24歳の山田は、その細谷の周囲を動き回ってチャンスを作った。
トップ下の位置、あるいは中盤まで下がって細谷にパスを供給し、また守備ラインの裏に抜け出してパスを引き出した。
柏はこの2人のトップに意識的に長いボールを入れ、川崎の守備のラインを押し下げることに成功。同時に、2人はパスを回そうとする川崎のDFに対してプレスをかけ続けて守備面でも大いに貢献した。
最終ラインが下げられてしまったことによって川崎はコンパクトさを失った。
山村と大南拓磨のCBがラインを上げられず、またパスコースも消されたアンカーの橘田健人もパスを引き出すために下がらざるを得なくなる。こうして、橘田と攻撃的MFの脇阪、瀬古樹、そしてFWまでの距離が開いてしまったのだ。