【南の最果てで出会い、北の大地で送り出す。小泉佳穂が感謝する小野伸二との不思議な運命(1)】小野が小泉に感じた「こんなに人をワクワクさせる選手がいるんだ」の画像
浦和レッズの8番を背負った小野伸二と、現在の8番の小泉佳穂 撮影:中地拓也(左)、アフロスポーツ(右)

「シンジさんが何分プレーできるか分からなかったので、一緒に時間を噛み締めて。間違いなくシンジさん本人以外で一番気合いが入っていたのは僕だった」

 小野伸二のラストマッチとなった北海道コンサドーレ札幌浦和レッズの試合後、小泉佳穂はそう振り返った。結果は2−0で浦和の勝利に終わったが、小泉は「オープンなゲームになりがちなので、オープンになった瞬間のチャンスをいかに仕留め切れるか」と話す浦和のプランの中で忠実に遂行しつつ、小野と一緒のピッチに立っている時間を噛み締めた。

「本当に同じピッチに立てたことが、すごく幸せな時間でした。もうちょっと出して欲しかったですけど、あの短い時間でボールめちゃくちゃ触って。チャンスメイクもしていた。やっぱり役者が違うというか……うまいなと」

 札幌の選手はもちろん、浦和の選手たちにとっても”レジェンド”である小野の存在というのは特別で、それは前半20分過ぎに小野が交代でピッチを去るときに、札幌の選手たちと一緒に花道を作ったことにも表れている。それでも、この場で小泉だけが共有できる小野との縁がある。

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