元サッカースペイン代表アンドレス・イニエスタが、今夏まで所属したJ1ヴィッセル神戸への思いを強くにじませる画像をSNSに投稿した。目にしたファンからは感謝と感動の声が広がっている。
神戸は今季、悲願を達成した。クラブ設立から29年目を迎え、ついにJ1王者に輝いたのだ。
神戸のここまでの歩みは、波乱に満ちたものだった。チーム初練習が行われるはずだった1995年1月17日には、阪神・淡路大震災に見舞われた。1997年にはJリーグに昇格し、カズこと三浦知良らが所属した時期もあったが、経営難に苦しむ時期もあった。苦難の時期は確かにあったが、そのたびに力を合わせて乗り越えてきた。
ピッチ上での変化も見逃せない。2017年にはドイツ代表でワールドカップ優勝も果たしたルーカス・ポドルスキを迎えた頃から、潮目が変わった。多くの世界的実力者を迎えたが、中でも存在感を示したのがイニエスタだった。
2018年に神戸の一員になったイニエスタは、バルセロナやスペイン代表で世界トップに君臨した理由を存分に示した。そのプレーは神戸のみならず、日本中のサッカーファンを酔わせた。
出場機会が減った今季、夏には神戸を離れる決断をした。だが、ピッチ内外、さまざまな形で天皇杯優勝、そして今回のJ1制覇と、タイトル獲得への導き手となったことは間違いない。
そのイニエスタが11月28日、自身のSNSを更新した。「38」という絵文字が添えられた画像には、バルセロナやスペイン代表のユニフォームを着たイニエスタの姿がある。
そして中央にあるのは、神戸時代のプレー場面と、同じくクリムゾンレッドのユニフォームを着て右手を高く掲げる後ろ姿。日本のファンにとっては見慣れたものではあるが、どこか違和感がある。