振り返れば10月20日の柏戦に2−0と勝利し、ACLのホーム武漢戦に敗れたあと、J1リーグ第31節の鹿島戦、ルヴァン杯決勝の福岡戦、ACLのアウェー浦項戦、そして神戸戦と続く一連の期間に向けて、スコルジャ監督は”運命を変えるシリーズ”として選手にも伝えていたという。確かにJリーグ逆転優勝に可能性をつなぐ2試合の間にルヴァン杯のタイトルとACLの大一番が挟まるという、常識的にはあり得ない日程だった。
その結果が鹿島に引き分け、福岡、浦項、神戸に敗れるという、言ってしまえば最悪の結果に終わり、“リベンジ”を誓って臨んだホーム最終節で福岡に逆転負け。選手の心身の疲労だけがさらに蓄積されるという状況になっている。
そこに伊藤敦樹の怪我による代表辞退、極め付けはエースとして攻撃を引っ張ってきたホセ・カンテの引退報道と、現場で取材するがわも向き合うが辛い状況にあるのは確かだ。
しかし、浦和には年内にやるべきことが残されている。札幌とのリーグ戦のラストゲームはもちろん、ACLの残る2試合、そしてアジア王者としてサウジアラビアで行われるクラブ・ワールドカップへ。メキシコのレオンに勝利すれば、欧州王者のマンチェスター・シティに挑める世界の大舞台が待っている。長かったシーズンもあと4試合あるいは6試合となるが、ここまで来たら、残るエネルギーでできる限りベストの状態にして、世界に挑んでいきたいところだ。