■序盤に千葉が決定機をつかむも…
味の素スタジアムに、歓声と悲鳴が交錯した。
J1昇格プレーオフ準決勝のもうひとつの試合が、11月26日に行なわれた。3位の東京ヴェルディと6位のジェフユナイテッド千葉が、ファイナル進出をかけて激突。
リーグ戦の順位が上位の東京Vは、引分けでも決勝へ進出できる。千葉は勝利が条件だ。立場の違いはありつつも、早い時間に失点をしたくないとの思惑は共通する。それゆえに前半は手堅い試合になりがちだが、千葉は素晴らしい入りを見せた。
開始早々にMF田口泰士の直接FKがネットを揺らすが、オフサイドがあったとして得点は認められない。それでも、主導権を引き寄せたのは千葉だ。
18分にはビッグチャンスをつかむ。MF田中和樹が右サイドを突破し、FW呉屋大翔が至近距離で合わせる。左足で確実に押し込もうとした一撃は、東京VのGKマテウスに防がれた。
プレーオフのような一発勝負のトーナメントでは、リーグ戦以上に1点の重みが増す。問われるのはGKのパフォーマンスだ。実力に大きな開きのない試合となるだけに、どのチームも一度は危ういシーンを迎えるものだ。そこでGKが得点を許さないかどうかは、勝敗に大きく直結する。とりわけ、前半の早い時間帯に失点をしないことが重要だ。
マテウスのビッグセーブは、東京Vを救った。試合の行方を分けたシーンと言っていいだろう。