川崎フロンターレが第103回天皇杯を激戦の末に制した。対戦相手は柏レイソル。120分を戦い抜き、スコアレスで迎えたPK戦を制しての戴冠だった。
このPK戦は10人目までもつれ込み、最後のキッカーを務めたのはそれぞれの守護神。両チーム合わせて20人目が蹴った時点まで勝敗が決まらなかった。
途中、瀬川祐輔がPKを失敗したかに見えたがやり直しとなって成功した場面もあるなど、まさに“ジェットコースター”と表現できるようなスリリングな展開だった。特に、川崎は5人目のFWバフェテンビ・ゴミスが決めれば勝利が決まるというキックを決められず、続く6人目のキッカーである登里享平も止められて崖っぷちに立たされた。
見ているサポーターの心情は察してあまりあるが、それは選手も一緒。4人目のキッカーを務めた橘田健人は「人生で一番緊張したシーンだった」と明かし、ピッチ横で見守った脇坂泰斗は「ずっと心臓張り裂けそうでした」と振り返る。
それでも川崎が崩れずに勝利を手繰りよせることができたのはなぜか。試合後の選手の口からは、「練習」という言葉が出てきた。