■今後の育成への課題
世界のトップクラスと比較すると、個人能力で劣っていることは明らかだ。あらゆる意味で、スピードが足りなかった。
単純な走力でも競り負けた。
今大会の不動のCBコンビだった土屋櫂大と本田康太郎の間をマルク・ギウに突破されたスペイン戦の2失点目。日本の敗退を決めた、あのゴール場面がその象徴のように思える。
単純な走力だけではない。パススピードも劣っていたし、判断のスピードが足りずにボールをワンタッチでさばけずに相手に囲まれてしまう場面もあった。
このあたりは、組分けの不運とか、移動の負担といった直接の敗因とは別に、今後の育成への課題ということになる。
こうした面で改善できていれば、グループリーグではもっと点が取れたはずだ。
後半、押し込んだアルゼンチン戦では2点目を奪って引き分け以上にできたはずだし、相手が疲れて完全に足が止まっていたセネガル戦の後半にはあと1ゴールが奪えたはずだ。
アルゼンチン戦で勝点1が取れていれば、日本は首位通過でバンドンで移動なしでラウンド16を戦えていたはずだし、セネガル戦でもう1点取っていれば、日本は2位通過となり、ラウンド16まで中4日の日程になっていたはず。
「個の力」を上げてチーム力を上げること……。ラウンド16突破への最大の鍵はそこに見出だすしかない。