U-17日本代表の年代別ワールドカップでの冒険が終わった。インドネシアで開催されたU-17W杯で、ラウンド16で敗れたのだ。決して満足な結果ではないだろうが、若きサムライたちにとって大事なのは、この経験をどう活かすかだ。サッカージャーナリスト後藤健生が、大会を通じて見えた成長と課題をつづる。
■通じなかった攻撃力
ラウンド16に進んだものの、日本はまたもそこを突破できなかった。
U-17代表としては3大会連続のラウンド16敗退だったが、これはこの世代だけの課題ではない。いまでは、日本はあらゆるカテゴリーの世界大会でグループリーグを突破できるようになっている。だが、昨年のカタール・ワールドカップでラウンド16のクロアチア戦でPK負けを喫したフル代表をはじめ、ほとんどのカテゴリーで決勝トーナメントの1回戦を突破できないでいるのが実情だ。
日本にとっての誤算の一つは、期待された攻撃陣が世界相手には通用しなかったことだ。
6月から7月にかけてタイで行われたU-17アジアカップでは、初戦のウズベキスタン戦こそ1対1の引き分けに終わったが、その後はすべて3得点以上を決め、6試合合計で22得点を奪って優勝。5ゴールを決めた名和田我空が得点王と最優秀選手賞をダブル受賞した。
アジアカップでは全23選手中FW登録は上記の3人だけだったが、ワールドカップでは全体の登録人数が21人に減ったにも関わらず、森山監督は5人のFWを登録した。アジアカップでは負傷のため登録外だった徳田誉は、それまでもこのチームの主力の1人だったが、井上愛簾は新らたに招集された選手だった。
それほど、FWの人材は豊富なはずだった。そして、アジア相手の試合ではその“ストロングポイント”を存分に発揮できたのだ。
だが、世界を相手にFW陣で結果を残せたのはグループリーグの3試合で4ゴールを決めた高岡伶颯だけだった。ゴール前でボールを収めることもできなかったし、裏への飛び出しでのチャンスメークも回数は少なかった。守備がある程度通用したのに対して、期待の攻撃陣は力を発揮できなかった。