■予想された苦戦

 グループリーグの3試合では後半に入って相手の足が止まってくると日本が攻勢を取る展開が多かった(グループリーグでの日本の全得点は後半に決まった)。だが、スペイン戦では後半に入ってむしろ日本選手の方が動きが落ちてしまった。

 これは、予想できたことだった。

 日本はグループDで2勝1敗。アルゼンチン、セネガルと勝点で並んだが得失点差で3位通過となったため、最終セネガル戦から中2日でラウンド16の戦いに臨まなければならなかったのだ。一方、グループB首位通過のスペインは中3日。さらに、スペインがグループリーグと同じ会場(スラカルタのマナハン・スタジアム)で戦えるのに対して、日本はグループリーグの舞台となったバンドンからスラカルタまで移動しなければならなかった。

 バンドンからスラカルタまでは直線距離で約400キロ。日本国内であれば新幹線で2時間程度の距離だが、インドネシアでは交通インフラが整備されていない。10月に中国によって建設された東南アジア初の高速鉄道がようやく開業したが、ジャカルタからバンドンまでだけで、それから先への延伸はまだ計画段階にも至っていない。

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