■J2最強の攻撃陣
秋葉忠宏監督が率いる清水エスパルスは2位で最終節を迎えており、水戸ホーリーホックに勝てば自動昇格が決まるという状況だった。前半はホームの水戸に押し込まれる時間が長く、守護神の権田修一を中心に、なんとか耐えて後半は攻撃のギアを上げたが、自陣のミスを突かれて痛恨の失点。山原怜音のクロスからチアゴ・サンタナのヘッドで同点に追い付いたが、粘る水戸から勝ち越しゴールを奪えず、勝ち点1に終わった。
4位に転落した清水には失望の色が隠せないが、町田と同じ得失点差+44という数字が示す通り、チーム力は最も高いだろう。2週間後のプレーオフ1回戦に向けて、チームのマインドをいかに前向きに持っていけるかが3つ目の昇格枠を勝ち取る鍵になるのではないか。
4ー2ー3ー1のトップ下に君臨する乾貴士とFWチアゴ・サンタナの縦ラインはJ2最強で、全てのポジションにJ1でプレーしていてもおかしくない選手が揃う。ただ、チームとして前向きになっていかないと、タレント力も宝の持ち腐れになってしまう。1回戦は引き分けで勝ち上がれると言っても、勢いに乗る山形を相手にあまり守備的にならず、ベクトルを前にしていきたい。
(取材・文/河治良幸)
(後編へ続く)