■「オカさんのことは尊敬しています」
偉大な先輩の背中を追うように、浅野もフィジカル・スキル両面で日に日にレベルアップしている印象だ。サンフレッチェ広島に在籍した20歳の頃、浅野本人に「岡崎のような点取屋なれるポテンシャルがある。浅野君はスピードという武器もあるから、より高い領域に突き抜けられる可能性がある」と声をかけたことがあるが、本人も「オカさんのことは尊敬しています」と嬉しそうに語っていた。
同じドイツで傑出した実績を残した“雑草魂”溢れるストライカーのことはどこかで意識しているはずだが、今の浅野は本当に日本の大黒柱になれそうな勢いがある。この機を逃す手はないのだ。
森保監督も秘蔵っ子への信頼は絶大。2026年W杯予選では頼りにしているはずだ。その期待に応えるべく、ゴールという目に見える結果を残すことが肝要だ。現在の浅野の代表ゴール数は9。50得点の岡崎に少しでも追いつきたいと願うなら、格下相手のアジア2次予選での固め取りは必要不可欠。ダルムシュタット戦のようなパフォーマンスを毎試合見せてくれれば、日本の得点力もさらに上がる。今回は浅野に一層注目したい。
11月2連戦は公式戦であると同時に、来年1~2月のアジアカップ(カタール)への重要な布石になる。ここまで6連勝が「親善試合だったから…」とならないように、圧倒的な強さを再認識させてもらいたい。
(取材・文/元川悦子)