■森保監督も感心する浅野のプレー
そして、上記3人以上に凄みを増しているのが浅野である。スピードと裏への抜け出しには定評がある彼だが、10月のカナダ戦で複数枚のDF相手に体を張ってボールをキープし、前線で起点を作った仕事ぶりは「ニュー浅野」を強烈に印象付けた。
加えて、ボーフムに戻ってからも絶好調。直近3日のダルムシュタット戦では今季2度目の1試合2ゴールをマーク。1点目は背後の抜け出しからGKの位置を見て右足アウトで流し込み、2点目は右から豪快なシュートを決めきった。
「拓磨の2点目はすごいゴールでしたね」と森保監督も4日のルヴァン決勝後に感心していたが、実際、2022年カタールW杯後の浅野進化は目を見張るものがある。W杯ドイツ戦の決勝弾に象徴される通り、彼は四日市中央工業高校時代から「大舞台で決める勝負強さ」がウリだったが、ここへきて「コンスタントに仕事のできるFW」へと変貌しつつあると言っていい。
その成長ぶりは、かつての岡崎慎司(シントトロイデン)を彷彿させる。岡崎はドイツ・マインツ時代に2シーズン連続2ケタゴールをマークし、2015年夏にイングランドのレスターへ移籍。15-16シーズンのプレミア制覇の原動力となっている。当時の彼は20代後半。今の浅野と似たような年齢だった。その数年間で岡崎は上半身が一回りも二回りも大きくなり、ボールキープ力に磨きがかかり、フェイントで相手をかわしながらゴールを奪うような華麗なスキルも披露。見る者を驚かせるほどだった。