■難しい状況だった試合出場
J1リーグ、ACL、天皇杯、ルヴァン杯。同時に国内外で4つのタイトルを目指せるクラブは限られる。J1王者の横浜F・マリノス、過去6シーズンで4度のリーグ制覇を誇る川崎フロンターレ、そして浦和だ。
そこに今シーズンの浦和はシーズン移行にともなうACLファイナルがあり、アル・ヒラルとの壮絶な戦いを制して優勝したことで、2023−24シーズンのACLにプレーオフから出場する権利と引き換えに、多大な負荷を背負うこととなった。そして12月にはサウジアラビアで行われるクラブ・ワールドカップが控えている。
「年間60試合近くこなすと思いますけど、どうしても、何ていうんですかね……疲れてきて、単純にサッカーを楽しめなくなりますし、やっぱり常に勝利を求められる中で、多分気を抜ける瞬間ってのがなくて。そうすると試合に対する気持ちが、若干ナーバスになってる部分もあると思います。だからこそ僕や明本選手のフレッシュさが、もう1個ギアを上げる。それが仕事かなと思います」
浦項戦の後にはそう語っていた大久保も、改めてアウェーの浦項戦に向けて、どれぐらい行けそうか聞くと「難しいところは正直あります」と返ってきた。怪我から復帰して、トレーニングでコンディションを上げてきたつもりだったが、いざ試合になると練習には無い負荷がかかり、これ以上は危ないという感覚がプレーをセーブすることになる。これは実際に試合をやってみた選手にしか分からない感覚だ。