■「統率力ある先輩たちと共闘してきました」
そのチームを浮上させる原動力となった1人が、7月に浦和レッズからレンタル加入した犬飼智也だ。浦和ではケガで昨季1年間をほぼ棒に振り、復帰した今季はマリウス・ホイブラーテンの加入で序列低下を強いられた30歳のDFは柏のオファーを快諾。守備再建請負人として統率力を発揮したのだ。
「自分が引っ張っていくんだという自覚を持って最初から取り組みました。そういう立場で呼ばれたのも分かっていましたし、まあ大人になりましたね」と本人も笑っていたが、20歳で清水エスパルスから松本山雅にレンタル移籍してきた10年前は怒られ役だった。
「イーちゃん(飯田真輝=現松本山雅CB2)、角田さん(誠=現仙台ジュニアユースコーチ)、源君(昌子=鹿島)……。僕は統率力ある先輩たちと共闘してきましたけど、人を動かせるCB、勝たせるCBになりたいとずっと思いながらやってきた。柏でそうなれたらいい」と本人も熱っぽく語っていた。
それから3か月。犬飼は古賀太陽とともに力強く最終ラインを統率。失点の減った柏は着実にポイントを重ねてここまで来た。10月29日の川崎フロンターレ戦では元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスを確実に封じ、「ラインコントロールはほぼパーフェクトに近かった。前線から行くか行かないか、チームとしての守備はうまくハマった」と語っていた。橘田健人の一撃を許したのは悔やまれるところだが、古賀も「ゴミスを抑えられたことは自信になった」とコメントしていた。