■森保監督もポジティブな反応

 彼ら守備陣に加え、今季キャリアハイの12ゴールをマークしている細谷真大の存在も非常に大きいと言っていい。ご存じの通り、彼はパリ五輪世代のエースで、2022年にはEAFF E-1選手権にも参戦している期待の星。177センチと高さはそこまでないが、ボールを収める技術、相手を背負って起点になる力強さ、そしてゴールへの推進力が素晴らしい。今季得点ランキング6位タイという数字を残している点を見ても、今の柏には不可欠だ。

 直近の川崎戦でも屈強なDFジェジエウの背後を取ってフィニッシュに持ち込んだり、1対1でも恐れることなくシュートを放つなど、思い切りのよさが色濃く感じられた。それが入っていれば完璧だったのだが、無得点に終わったことで「チームを勝たせられなかった」と本人も反省しきりだった。それでも森保一監督は「局面の打開力、守備での貢献度の高さはしっかりと確認できた」とポジティブな言い回しを見せていた。

 この2人が攻守両面でチームをけん引。マテウス・サヴィオや栃木SCから復帰した山田雄士、ボランチの高嶺朋樹らもハードワークを見せることで、J1残留、そして天皇杯タイトル獲得が見えるところまでたどり着いたと言っていいだろう。

(取材・文/元川悦子)

(後編へ続く)

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