■清水は今シーズン初の逆転負け

 後半開始からスイッチを入れて攻勢を仕掛けたい清水だが、後半は一転して熊本にボールを動かされてしまう。56分にはボランチのホナウドが自陣でボールを失い、素早い切り替えから熊本MF平川怜に2点目を決められた。相手に囲まれてボールを奪われた瞬間のホナウドは、相手のファウルを主張するような素ぶりを見せた。その刹那が命取りになった。

 今シーズンの清水は、逆転負けを喫したことがない。先制した試合は17勝3分の成績を残してきたが、今節はこれまでとは違うのだ。67分にも自陣でのボールロストをきっかけに、熊本FW伊東俊に右足の強烈ミドルファインゴールを突き刺されてしまうのである。

 秋葉忠宏監督は直後に3枚替えを行なうなど、74分までに5枚の交代カードを使い切った。後半途中からは3-4ー2ー1へシステムを変更した。しかし、1対3からスコアを動かすことはできず、今シーズン初の逆転負けを喫したのだった。ホームでの敗戦は、6月28日のブラウブリッツ秋田戦以来、およそ3か月ぶりである。

 試合後の秋葉監督は、厳しい表情でフラッシュインタビューに応じた。

「ここまで来て、どうこう言っている場合じゃない。より強固な団結力を持って、残り2試合を戦いたい」

 0対2で敗れた37節の藤枝MYFC戦も、自分たちのミスが失点につながっている。大勝したいわき戦も、失点を許している。いい守備をいい攻撃へつなげるスタンスを、清水はもう一度取り戻したいところだろう。

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