日本の気象条件が求めるのは「2度の中断期間」【Jリーグ「秋春制移行」で忘れてはいけない重要ポイント】(3)の画像
Jリーグに大きな変化が訪れようとしている(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 長年話し合われてきたJリーグのシーズン制で、大きな動きがあるようだ。「秋春制」への移行が近づいている、と報じられている。白黒つかざるを得ない案件ではあるが、その内容について、もっと吟味するべきではないか。シーズン制で本当に考えるべき点を、サッカージャーナリスト・後藤健生が指摘する。

■最大の被害者は北国のクラブ

 さて、いずれにしてもJリーグは春秋制から秋春制に移行することは、もはや動かし難い事実のようだ。

 それでは、秋春制で行われるJリーグとはどのようなものになるのかを考えてみたい。

 秋春制移行の最大の障害は、冬場の北国のクラブの問題である。

 現在の春秋制でも、2月後半に開幕した直後は、北国のクラブは難しい状況で戦っている。つまり、ホームゲームが開催できないのだ。

 北海道コンサドーレ札幌は、札幌ドームという屋内競技場を使えるので、今シーズンは2月25日の第2節に最初のホームゲームでヴィッセル神戸と対戦している。だが、屋内競技場が使えないモンテディオ山形の最初のホームゲームは3月19日の第5節FC町田ゼルビア戦までズレこんだ。

 しかも、こうした北国のクラブは、開幕当初は雪のない地域で合宿を行って、そこから遠征して、地元には帰ることができないまま試合を行っているのだ。

 これは、大きなハンディキャップだ。

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