■サッカーの質を落とす夏

 将来、屋内競技場が各地に建設されたとしても、練習場まで全天候型化することは難しいだろうし、豪雪に見舞われた場合には観客の足が奪われることになるので、世界でも有数の豪雪地帯である日本では、やはり真冬のリーグ戦開催は難しい。

 したがって、春秋制であろうと、秋春制であろうと、1月、2月に試合を行うのは難しいので、秋春制に移行したとしても約1か月半以上の「ウィンターブレーク」が必要になる。

 一方、今後は猛暑に見舞われる真夏にも試合の開催が困難になる。実際、秋春制移行の論議の中でも、「移行によって夏場の開催が避けられる」ということも言われている。ただ、報道されているところでは、新しいJリーグの秋春制シーズンは(ワールドカップイヤーを除いて)7月に開幕することになるので、夏場をどうするのかの論議はこれからのようだ。

 ただ、今後数十年にわたって地球の温暖化が進むことは間違いない。最高気温35度超はけっして珍しいことではなくなってしまうのだ。

 こうした高温に見舞われる真夏には、やはりサッカーのような競技は行うべきではない。「サッカーの質」と言う面でも夏場の試合は明らかに落ちてしまう。

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