■「疲労回復力とかは間違いなく落ちてる」
それを誰よりも熟知しているのが、黄金世代で数少ないJリーグ参戦組の遠藤だ。
今季は小野伸二と南雄太もJリーガーではあったが、小野はリーグ戦出場ゼロ、南は6月に2試合出場しただけ。21試合出場(うち18試合先発)の遠藤はケタ外れと言える。
夏場以降は出場機会が減り、直近10月22日の徳島ヴォルティス戦はベンチ外となったが、修羅場をくぐった回数の多さとどんな時もブレないメンタリティ、鋭い戦術眼はここぞという時に必ず役に立つ。横内昭展監督もそう考えているはずだ。
「20代前半の頃と比べたら疲労回復力とかは間違いなく落ちてる。その落ちた部分も含めて『自分は40代なんだ』って思いながら、年相応に戦ってる」と本人は話したことがあったが、「サッカーは強度やハードワークだけじゃない」と示してくれる稀有な存在がいてもいい。遠藤はそういう特殊性があるから、生き残っていられるのだろう。
「伸二はひらめきだったり、一瞬の判断で流れを変えちゃうプレーは特別なものがありますよね。今はワンタッチでワクワクさせる選手はホント少ないんで、もっともっと出てきてほしい」とも遠藤は話したことがあったが、やはり彼も小野から刺激を受け、見る者を魅了するサッカーを追求してきた。