【黄金世代の相次ぐ引退と残したもの(2)】43歳・現役Jリーガーの遠藤保仁。日本代表最多出場の黄金世代の“生き残り”がピッチで戦い抜ける理由。「落ちた部分も含めて……」の画像
ジュビロ磐田の遠藤保仁。10月7日の静岡ダービーで出場している 撮影:中地拓也

 現役を長く続けた選手の多い黄金世代だが、ユニフォームを脱いだ後のキャリア形成も多種多様だ。

 小笠原満男、曽ヶ端準(鹿島ユースGKコーチ)や石川竜也(山形ジュニア村山U-12監督)のようにJクラブで指導に携わっているのは王道。一方で、ビジネス領域に進んでいる播戸竜二や中田浩二(鹿島CRO)、未知なる沖縄で自らクラブを立ち上げた高原直泰、ブラインドサッカーの強化選手に転身した榎本達也(東京V強化部)のように、興味深い人生を歩んでいる人間も少なくない。

 こうした中、今も現役を続けているのは、ジュビロ磐田遠藤保仁、関東サッカーリーグ1部・南葛SC所属の稲本潤一、埼玉県リーグ3部・KONOSU CITY FC監督兼選手の永井雄一郎の3人だけ。43~44歳になる彼らがピッチに立ち続けるのはそう簡単なことではない。

 J1から数えて5部相当のリーグに昨年から身を投じている稲本は「やっぱりプレーするのが好きなんですよね。このリーグでやってるのはそれしかない」と笑っていたが、年々フィジカル的要素の強まる現代サッカーに適応し、戦い抜いていくのは大変だ。稲本も「昔みたいに体が動かない分、勢いは若干減ってますけど、大事なのはどのタイミングでパワーを出すかですね」とメリハリの重要性を強調していた。

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