■チームとしての成熟とは
集中の持続が難しくなると、バルセロナの選手たちはロナウジーニョにボールを預け、彼がボールをもって楽しそうに行ったりきたりしている間に「ひと息」ついていたのである。すなわち、バルセロナは自慢のパスワークを発揮できない時間帯にも、「ゲームコントロール」は失わなかったのである。
日本代表にロナウジーニョがいるわけではない。また15年前と現在ではサッカーはまったく違うから、同じことなどできない。ここで重要なポイントは、ゲームの状況をチーム全員が理解し、そのときにチームとしてどうプレーすべきかの共通理解をもち、そして個々のプレーヤーが自分の役割をしっかりと果たすことだ。それがチームの「成熟」というものだ。