■選手主導のポジション変更
後藤 今回の2試合ともにそうなんだけど、選手が主導権を持ってどんどんポジションを変えていくのも、なかなかにすごいよね。チュニジア戦では、遠藤と守田のダブルボランチでスタートして、後半の頭から守田がポジションを上げて2列目に入り、しばらくしたらまた中盤の底に下がっていた。森保一監督は、選手たちの判断による変更だったと言っていた。カナダ戦でも、PKを取られた場面でVAR検証の間に選手と監督が話し合って、ポジションを変えていた。そういう選手たちとスタッフの間のコミュニケーションが、すごくうまくいっている。
大住 コーチ陣と選手のやり取りもそうだけど、森保監督のチーム管理というか、皆の自主性を出させるやり方がすごくうまくいっていると僕は感じるな。
後藤 選手たちはヨーロッパのトップクラブにいて、非常にレベルの高い試合をしているから、ピッチ上でもかなりハイレベルなものの感じ方と考え方をして試合をしているわけだよ。それをベンチが受け入れてやっていくというのは、すごいことだよ。その結果として、どんなタイプの相手と対戦しても、それなりに対処できるチームになってきたと思うね。
大住 1年前と比べて、本当に成熟してきた感じがするよね。
後藤 この段階で成熟しちゃってどうするの、というくらいだよ。