■難しい「これから」
大住 それは本当に、森保監督の難しい仕事になると思う。チームというのは良い時がずっと続くわけじゃなくて、必ず波が来るんだよね。調子が落ちた時には、「前はあんなにできたのに、どうしてできないんだろう」と混乱して、どんどんダメになっていくことがある。必ずやってくるそういう時期に、どのような刺激を与えて、また誰にどんなチャンスをつかませるかというのは、今後の道のりにおいてすごく大事なことだよね。
後藤 来年の1月にあるのが、アジアカップじゃなくてワールドカップがあればいいのに、というくらいの成熟度だよ。でもワールドカップまでまだ3年もあるから、チームの力をどうやってさらに伸ばしていくかというのは、大変な難問になる。
大住 パリ・オリンピックの後には現在のU-22代表が入ってきて、さらに競争が激しくなるんじゃないの。
後藤 そういう意味で、チュニジア戦で鈴木彩艶がどうゴールを守るかなと期待していたんだけど、ほとんどシュートが来なかった。
大住 最後に自分で見せ場をつくっちゃったけどね。
後藤 今の日本のGKは自分でつくらないと、見せ場がないからね。カナダ戦でPKを止めた大迫敬介もそうだし。彩艶は終盤にシュートを打たれた場面以外は、バックパスやロングボールを処理するくらいだったね。後半にパンチングでFKをかなり遠くまではじき返す場面はあったけど。
大住 あの時の安定感は大変なものがあったね。
後藤 あれだけのフィジカル能力があるGKが成長したら、本当にとんでもないことになるよ。日本の弱点と言われる時期があったけど、今のGK陣は強力だよ。