10月シリーズに参戦したFWのもう1枚である上田綺世はチュニジア戦の後半45分間に出場。後半6分と17分には久保建英のスルーパスに鋭い抜け出しを見せ、10月3日の欧州CL、アトレチコ・マドリード戦の先制オウンゴールを彷彿させた。
さらにフェイエノールトで求められているDFを背負って起点になる仕事にも積極的にトライ。そのあたりは進化を示したが、シュート1本で無得点という結果は不完全燃焼感が強かったはずだ。
9月のドイツ戦で値千金の決勝ゴールを奪い、ポストプレーヤーとしても目覚ましい進化を遂げたことで、今回の2連戦ではFWのファーストチョイスに位置付けられると目された上田。けれども、結果的には序列をやや落とす格好になったと言えるのではないか。
9月シリーズ中に負傷して代表を離脱したうえ、10月シリーズ参戦前にもケガがあったため、森保一監督が上田の出場時間を多少なりとも制限したはず。そういう中でも、上田としては結果を強く望んでいた。
というのも、アルバロ・モラタ(アトレチコ)やサンティアゴ・ヒメネス(フェイエノールト)のような傑出した個を欧州で目の当たりにして「FWの選手1人が1つの戦術になっちゃう場合がある。1人の選手として脅威になることがFWとして一番価値があること」という痛感したから。その基準に照らすと、チュニジア戦45分間の自身のパフォーマンスには納得できなくて当然だ。