古橋亨梧と浅野・上田との違い

 一方、カナダ戦の後半27分以降と17日のチュニジア戦(神戸)の前半45分間プレーした古橋亨梧(セルティック)は「ようやく得点機をモノにした」という印象だ。

 そのシーンとはカナダ戦の前半43分の先制弾。セルティックの同僚・旗手怜央のスルーパスに抜け出した背番号11はGKと1対1になり、冷静に右足を振り抜いた。この形は所属先でも常日頃から決めている得意パターンだ。

「偶発的に相手に当たってボールが来たんですけど、思っていた以上に落ち着いてトラップできましたし、GKを見ながらどっちにも蹴れるポジションに置けたので良かったです」と本人も安堵感をにじませた。

 古橋の場合、浅野や上田のようにポストプレーはできないため、裏抜けとゴール偏重のFWという位置づけ。そういう選手が得点を取れなければ、代表残留は厳しくなる。彼自身も危機感を募らせていたに違いないが、この一撃で残留可能性が高まったのではないか。

 あとはセルティックに戻り、UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)でより多くの得点を重ねることが肝要だ。それは森保監督への一番のアピールになるはずだ。

(取材・文/元川悦子)

(後編へ続く)

(2)へ続く
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