■旗手は今回の2試合でもっとも試したい選手
10月13日にカナダ、同17日にチュニジアと対戦する日本代表の10月シリーズは、11月開幕の2026年W杯アジア2次予選前最後のテストマッチだ。
本番を見据えた準備を……というムードも漂うが、森保一監督が就任5年目を迎えている現在のチームは、すでに土台が出来上がっている。2次予選に備えて特別な準備をする必要はなく、10月シリーズで国際Aマッチ出場の少ない選手をテストしたり、新たな組み合わせにトライしても支障はない。
ボランチは旗手怜央と守田英正のコンビとする。彼ら以外にもキャプテンの遠藤航、田中碧、伊藤敦樹、さらには前田大然に代わって追加招集された川辺駿がボランチの候補になるが、カナダ戦では川崎フロンターレ出身の旗手と守田のコンビとした。
旗手は今回の活動で、もっとも試したい選手である。複数のポジションに高いレベルで対応する彼は、11月から選手登録人数がコロナ禍以前の23人に戻ることを考えても、貴重な戦力と言っていい。現在のチームバランスでは左サイドバックの候補にも加えたいが、この試合ではダブルボランチの一角を任せ、パートナーの守田はもちろん左ウイング中村敬斗との連携によるビルドアップや崩しに期待したい。中山雄太、町田浩樹、三笘薫、久保建英らは東京五輪のチームメイトで、彼らと培った連携を生かすこともできる。
2列目は右から伊東純也、久保、中村の並びを選んだ。
ラ・リーガ開幕から好調を維持し、9月の月間MVPに選出された久保は、過密日程による疲労が気になる。カナダ戦をスキップしてチュニジア戦に先発させることも考えられるが、チームの大黒柱になってもらうべき立場である。カナダ戦からピッチに立ってもらうことを選んだ。
戦術的な理由もある。9月のトルコ戦で古橋亨梧とともに先発し、好印象を残している。古橋の動き出しを見逃さず、久保が球足の速いスルーパスをズバリ通した。日本代表では生かしきれなかった古橋の得点嗅覚が、久保との同時起用で引き出される期待感を抱かせた。今回もセットでピッチに送り出し、コンビネーションに磨きをかけてもらうのだ。
三笘が体調不良で不参加となった左サイドは、中村と奥抜侃志が候補だ。初招集の奥抜をテストしたいところだが、現時点で序列が上の中村から起用する。