■パス成功率との比較
たとえば日本代表チームは通常1試合で500本から600本程度のパスを通すが、昨年のワールドカップ初戦、ドイツ戦では、国際サッカー連盟(FIFA)のカウントによればわずか261本だった。うち成功は207本である。試合を通じてボール支配がわずか24%という状況(ドイツは65%、中間が11%)で、日本は自陣で守備組織をつくってドイツの攻撃をはね返し、カウンターアタックに活路を見いだすという戦いしかできなかったからだ。
ちなみにこの試合のドイツのパスは820本で、うち743本を成功させた。なんと成功率90.6%である。しかし完全劣勢のなかでも、日本は、261本に対し207本成功、成功率79.3%と、まずまずだった。一般には、パス成功率が80%を超えればある程度自分たちの狙いとする攻撃ができるということになる。逆に90%ということは、「安全なパスに終始し、チャレンジが十分でない」ということになるのではないか。