■「自信を失う時期もありました」
実際、冨安も昨季はそこに悩み続けたという。ケガを繰り返してシーズン通してプレーできなかったことも大きかったが、アルテタ監督の戦術をどう具現化していくべきかに頭を悩ませることもあったようだ。
「自信を失う時期もありましたし、正直、いろんなことを考えました。でも今季はアーセナルでやることはもう決まったので。一応、サウジアラビアはまだマーケットが開いてますけど(苦笑)」と9月5日のメディア対応でも話していたが、冨安の中ではアーセナル残留か否かまで突き詰め、最終的にもう一度チャレンジする覚悟を決めたのだろう。
だからこそ、今季は確固たる前進を示さなければいけない。PSV戦で長年の夢だったCLデビューを飾り、幸先のいい一歩を踏み出したのは朗報だが、それを継続していかなければいけない。アルテタ監督は今後、ジンチェンコではなく冨安を左SBのファーストチョイスに据えることも考えるかもしれないが、そのチャンスをつかんだら、絶対に離さないくらいのインパクトが必要になってくる。
そうやってアーセナルで出続けていれば、代表に戻ってCBで起用されたとしても、大いなる自信を持ってピッチに立てるだろうし、周囲を力強くリードできるはず。森保一監督もそうなってほしいと熱望しているに違いない。