日本代表の絶対的主力として復活した冨安健洋だが、所属のアーセナルでは必ずしもレギュラーをつかんでいるとは言い切れない状況だ。
今季のここまでの戦績を見ると、イングランド・プレミアリーグは9月22日現在で5試合中4試合出場(うち先発1試合)。9月20日からスタートしたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の方も、直近のPSVアイントホーフェン戦ではベンチスタートを強いられている。
それでも同試合では、3-0でリードした後半14分からオレクサンドル・ジンチェンコと代わって左サイドバック(SB)でプレー。ボールを保持して攻撃に転じる時にはボランチの位置に上がり、積極的にタテパスをつけるといった高難度の戦術をしっかりと実践。4-0の勝利に貢献することができ、現地メディアからも高い評価を受けた。
「アーセナルでは普通に見ていたら気づかないような部分でも、本当に1つのパスだったり、タイミングだったりっていうところを(ミケル・アルテタ監督から)要求されている。それは中に入ってみないと分からないんで、本当に難しいですし、試行錯誤を繰り返しています。その要求にこたえ続けないといけない」と冨安は神妙な面持ちで語っていた。世界最高峰のタレントがひしめくトップクラブで生き抜いていくためには、ハイレベルな戦術理解とそれをピッチで表現する力をつねに求められる。そこは日本代表でプレーするよりもはるかに難しいはずだ。