10月3日の蔚山現代戦で完封勝利を手にした川崎フロンターレにとって、直近のリーグ戦であるアルビレックス新潟戦の敗戦はメンタル面で“重し”となる可能性があった。そこで鬼木達監督が大切にしていたのが切り替えだった。
蔚山戦を控えた10月1日、鬼木監督は「(サッカーは)勝ち負けがあるので、そこはもう切り替えてやるしかないかなっていつも思います。切り替えられずにどんどん引きずる方が問題。そのために切り替えさせるのが自分の仕事」と、その重要性について話していた。
だからこそ、新潟戦翌日の練習に笑顔で挑んだことはすでにこの記事の前編で書いた。
切り替えが必要なのは、「目標があるから。Jリーグでは難しい結果になってしまいましたけど、でも、ここからACLがあって、天皇杯もある。ここでやらないなら、いつやるのっていうタイミングだと思うんですよね。そこはもうみんなが覚悟を決めてやらなきゃいけない。もちろん、自分自身もそうですけど」と、タイトルを取るという明確にして絶対的な目標があればこそである。
新潟戦の敗戦によって、川崎はリーグ優勝の可能性がなくなった。この日、他の場面で「もう終わったことは、次で取り返すしかない」と話していたが、その取り返すという気持ちはより強くなっているように感じられた。