■「常に自分に矢印を向けて」
連戦でも常に最終ラインでピッチに立ち続けた大南は、直近のアルビレックス新潟戦では久々の“休み”となった。「個人的には昨日(新潟戦)も試合出れる状況だったし、コンディション的にも悪くない」中で、「昨日仕上げてないんで、(蔚山戦に向けて)体的にはいい状態に持ってかないといけないっていうメッセージだと思って調整してる」と意気込む。
その試合でチームは連勝を途切れさせてしまったが、「大会も変わるので、しっかりチーム全体として切り替えて、今までやってきたことがゼロになるわけじゃないので、それを見つめ直してやっていけば、また結果はついてくると思う。そんなに気負うことはないと思います」と力強く答えた。
その新潟戦の先発メンバーが発表されると、SNS上では大南がいないことに対する声が見られた。他に出る選手へ向けられたものではなく、純粋に大南の存在感が増していることを感じさせるものが多かった。
そうしたコメントを見た時に思い出したのが、JDT戦後に大南が話した以下の言葉だった。
「ジェジがいなかったりとか、彰悟さんがいなかったりとかってところで比べられてしまうので、それに負けないくらい自分の力をつけたい」
そう成長を誓っていた大南に、新潟戦でメンバー外になったことで似たようなことが起きたことを伝えると、「やっぱり試合に出させてもらってるんで、そういう期待は感じてます」としながらも、次のように冷静に続けた。
「周りと比較されても常に自分に矢印を向けてやっていくことがすごい大事だし、人とは違うので。個人的にはそういう声は大事にしてますけど、常に自分に矢印を向けてやっていきたい」
成長を続けながらも増し続ける存在感。蔚山戦では「あんたが大賞」を受賞することができるか。JDT戦のような堅守を披露し、チームにアジア2連勝をもたらしてみせる。
(取材・文/中地拓也)