■レベルの変化

 J1リーグが日本のトップリーグであり、以下、J2リーグ、J3リーグと続き、その下に全国リーグである日本フットボールリーグ(JFL)があり、そこではアマチュアの企業チームと将来Jリーグ入りを目指すチームがしのぎを削り合っている(今年のJFLは、HondaFCが首位を走っているものの、2位以下は空前の大混戦となっている)。

 そして、関東1部はそのJFLの下のリーグ。つまり、上から数えて5部相当のリーグということになる。

 数年前までJ3リーグとJFLの実力差はほとんどなかったし、関東大学リーグや関西学生リーグのレベルも高く、「日本の本当の3部リーグはどのリーグなのか?」と疑問に思うこともあったが、今シーズンはJ3リーグにもJFLへの降格制度が導入されたせいか、J3リーグのレベルが上がったし、JFLも激しい切磋琢磨の中で間違いなくレベルアップしている(昨シーズンまでJFLで戦っていた奈良クラブとFC大阪は、昇格初年度のJ3リーグで大健闘。J2昇格の可能性も残している)。

 逆に関東、関西の大学リーグのレベルが低下している。三笘薫や旗手玲央、上田綺世がいた頃の大学リーグとは大きな違いだ。

 関東リーグは、序列通り、5部リーグと思っていい。

 だが、そこで展開されていたのは、テクニックのある選手たちが、互いに戦術的狙いを持って戦った、見ごたえのある試合だったのだ。

 僕は、海外でも下部リーグの試合をずいぶん見てきたが、下部リーグでは単なるボールの蹴り合い、強引な個人的な突破力に頼るようなサッカーが多かった。スペインなどでも、華麗なパス・サッカーを展開するのは1部リーグのクラブだけだ。

 それで、僕は「日本の下部リーグのレベルは、かなり高いのではないか」とずっと思っているのだが、今や5部リーグでもこれだけの試合が行われるようになったことにビックリした。

(2)へ続く
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