■システム変更の是非

大住 さっき後藤さんがシステム変更に触れたけど、僕は前半のような戦いをもう少し続けるべきだったんじゃないかなと思ったんだけど。後半頭から、三笘薫をウィングバックに配置した5バックみたいな形になったことで、相手を引き込んじゃったというか、前に来させてしまった感じがして。前半は、ドイツの右ウィングのレロイ・サネに攻められた時に非常に厳しい状況になっていたから、そこを何とかしないと勝ち切れないぞ、という思いはあったと思うんだけど。

後藤 だけど、その抑える役を三笘にやらせるというのは、ないよね。

大住 ワールドカップで成功した形だから、という思いはあったのかもしれないけどね。システムを変えるなら、その後に谷口彰悟を入れて3バックから伊藤洋輝を左ウィングバックにまわした形を、最初から出せばよかったと思う。

後藤 僕も見ていて、テストとしてはやった意義はあったと思うけど、試合中の采配としては失敗だったんじゃないかと思った。明らかにチーム全体の重心が下がって、相手に勢いを与えちゃったから。

大住 森保一監督はその点を尋ねられると、相手の勢いを止めつつ、速いカウンターを狙う形に切り替えたという話をしていた。それに、決定的なピンチはなかったでしょ、とも言っていたね。だから、狙い通りにいったと言っていたけど、ゴールが決まったか否かは別として、試合の形勢として考えて、ああいうふうにしちゃうのは、良くなかったかな。

(2)へ続く
  1. 1
  2. 2
  3. 3