ワールドカップ(W杯)制覇4回を誇るドイツに4-1、2002年日韓W杯ラウンド16で敗れた因縁の相手・トルコに4-2と9月シリーズ連勝を飾った日本代表。欧州の地で強豪国と言える相手に大量得点を奪って勝ち切るというのは、これまでの日本代表にはなかったことだ。
しかも、中2日の強行日程、ヴォルフスブルクからゲンクへのチャーター便&バス移動、先発10人の入れ替えという難しさのある中、好結果を出したことで、2026年北中米W杯での8強入りという最低ノルマはもちろんのこと、優勝という大目標達成も夢ではなくなってきた印象だ。
「選手層を厚くすること、より多くの選手と戦術を共有することを試合の中で行えたのはチームにとって非常にプラス」と森保一監督は2連戦の収穫を口にした。特に攻撃陣は多彩な組み合わせと得点パターンが見て取れた。
ドイツ戦の前半は伊東純也(スタッド・ランス)、鎌田大地(ラツィオ)、菅原由勢(AZ)の右サイドが効果的に連動。伊東が先制点を叩き出し、さらに同じユニットの連携から上田綺世(フェイエノールト)が2点目を挙げた。
伊東の凄さは言うまでもないが、上田が流れの中からゴールを奪ったことは特筆すべき点。しかも「シュートはうまいが、ボールを収めて前線で起点を作る仕事に難がある」と言われてきた課題に、前進が見られた。セルクル・ブルージュで昨季22ゴールを挙げ、今夏からオランダ王者のフェイエノールトに赴いたことで自信と余裕が生まれ、ドイツDF陣と駆け引きしながら起点を作る仕事ができるようになっていた。左足負傷で離脱したのは痛かったが、今後はFWの軸として計算できる存在になりそうだ。