■トルコ戦は「チームの底上げ」がテーマに
W杯ベスト8入りという目標からの逆算で、ドイツ戦は内容、結果ともに評価できるものとなった。世界の8強入りするためには、自分たちで主導権を握り、得点を奪えなければならない。押し込まれる時間帯を、無失点でしのがなければならない。専守防衛ではないゲームプランで臨み、ドイツから4ゴールを奪ったのだから、文句なしの一戦である。
12日のトルコ戦も、世界の8強入りへの大切な機会だ。
W杯のグループステージ(GS)では、中3日や中4日の日程で3試合を消化し、GS最終戦から同じような試合間隔でラウンド16に挑む。ラウンド16をくぐり抜けると、引き続き中3日や中4日で準々決勝だ。
連戦で疲労が溜まっていくうえに、移動もある。カタールW杯は長距離移動がなかったが、カナダ、アメリカ、メキシコの3か国共催の26年は国をまたいだ移動を強いられる。
コンディション維持の阻害要因が増えていくなかで、ノックアウトステージではGSよりレベルの高い相手と向き合い、勝利をつかんでいかなければならない。そこでは、一人ひとりのタフネスさはもちろん、選手層が問われる。同じレベルのチームをふたつ作れるぐらいの厚みがほしい。
カタールW杯のラウンド16で日本と対戦したクロアチアは、延長前半途中でルカ・モドリッチとマテオ・コヴァチッチを交代させた。PK戦投入を想定すれば、最後まで残しておきたい選手のはずだが、ズラトコ・ダリッチ監督は背番号10と背番号8を下げた。交代選手への信頼があったからだろう。
トルコ戦のキーワードはズバリ、「チームの底上げ」である。11月のW杯アジア予選開幕以降は、格下相手でも先発を固めざるを得ない状況が生じる。それだけに、今回の2試合と10月の2試合は、招集した選手を思い切って起用するのだ。ドイツ戦からトルコ戦は、スタメン総入れ替えでいいだろう。